テニスルール(2009年版より)
ドロー
 テニスの試合の組み合わせ表(トーナメント表)をドローと言いますが、その他にも、
 ドローという用語が使われます。
 テニスの試合では、大会ごとに試合出場人数が決められています。
 基本的には16人、32人、68人、128人のどれかの参加人数で構成されますが、
 16ドロー、32ドローといったトーナメント表の規模をわかりやすくするために
 用いられます。
 プロテニスの大会では128ドローが一番規模が大きく、4大大会のみに使用される
 ドロー数となります。大会の規模(ランク)によってドロー数は減少していきますので、
 テニス初心者の方はテニス用語で128ドローと聞いたら、テニスで最も大きくて
 有名な大会と思ってもらってOKです。
ドロー表の作り方
 一般的には、ドロー表にはシード選手が存在し、ランクの高いプレーヤー同士が早い
 段階で対戦しないようにドローを作成します。大きく分け1〜4シード、5〜8シード、
 9〜16シードと分類され、1〜4シードは準決勝までは当たらないよに配置されます。
 そのため、シード選手からドロー表を埋めていき、空いた場所に試合参加予定選手の
 名前をドロー表に埋めていく手順となります。
 公式ルールでは、テニス初心者に限らず意外と知らないシード選手のドローの
 振り分け方をします。大抵、1〜4シードはドローの端っこに配置されるものと
 思われますが、プロテニスのドロー表を見るとそんなことないのです。
 1シードと2シードは最上部と最下部で固定されていますが、その他は、抽選により
 ランダムに配置されます。
 もちろん高いシード同士が当たらないようにドロー表の山は別々ですが、抽選に
 よっては、4回戦の試合で一つは1シードと9シード、もう一つは4シードと16シード
 というように1シードが必ず16シード当たるようになっていないのです。観戦する側と
 しては、大会の序盤で好ゲームが観られる可能性も大いにあります。
1.トーナメント方式
 参加者数が4、8、16、32、64または、それ以上の2の累乗のとき、トーナメント(勝ち
 上がり)方式で対戦し、結果は、氏名 64 36 61のように記す。
 ドローサイズによって、それぞれ4、8、16、32、64、128ドローシートを用いる。
 48、56、96ドロー等には、それぞれ64、128ドローシートを用いて、トーナメントを
 行う。
1 岩 田      
  岩 田  
2 BYE        
  岩 田  
Q 3 竹 田         61 42DEF.
  岩 山    
4 岩 山       64 63  
  岩 田    
5 松 田         62 16 76(5)
         
6 植 川       W.O    
  添 川  
LL 7 小 田         W.O
  添 川   シード
8 添 川       54RET    第1シード 岩田
 第2シード 添川
 ・RET(リタイア)は、ケが病気などの理由で、試合を途中棄権したとき。
 ・DEF(デフォルト〉は、試合前、試合中にコード違反をし・失格したとき。
 ・WO(ウォークオーバー)は、相手選手の遅刻・出場辞退などで不戦勝になったとき。
  および対戦する両選手が試合に現れなかった場合。その際、勝者は空欄。
 ・NoShow(ノーショウ)とは、予選のサインや試合に・決められた時間に現れなかった
  ことを意味し、ドロー表に結果として表記しなくてもよい。
 ・BYE(バイ)は、出場者が2の累乗で埋まらない場合、1回戦がない場合に使う。
2.ラウンドロビン方式
 出場者が総当りで対戦する大会をラウンドロビン方式という。
1) ラウンドロビン方式における順位は、勝率の高いチーム(者)を上位とする。
  チーム戦の勝率=勝利した対戦チーム数÷総対戦チーム数
  個人戦の勝率=勝利した試合数÷総試合数 
2) 2チーム(者)が同率になった場合は、お互いの対戦結果(直接対決)の勝者。
3) 3チーム(者)が同率になった場合は、以下の要素で順位をつける
  @合計の勝利試合数の多いチームが上位
  A@が同じ場合、全試合での取得セット率(%)
   取得セットの合計数÷全試合のセット合計数=取得セット率
  BAが同じ場合、全試合での取得ゲーム率(%)
   取得ゲームの合計数÷全試合のゲーム合計数=取得ゲーム率
4) ノーショウ、または失格者の取得ゲーム数はすべて0とする。
  (例:3セットマッチなら60,60)
5) けが等によるリタイアの場合は、勝者はリタイアの後、残りのゲームを
  すべて勝ったとしてゲーム数を記録し、敗者はリタイアするまでに
  取得したゲーム数を記録する。(A対Bの3セットマッチで、Bが63,22のとき、
  けがでリタイアした場合、勝者はAでスコアは、366260と記録する。)
  A B C D 勝敗 順位
A   75 75 46 61 60 60 60 3勝0敗 1位
B 57 57   61 61 06 06 1勝2敗 3位
C 64 16 06 16 16   60 60 1勝2敗 2位
D 06 06 60 60 06 06   1勝2敗 4位
3.トーナメント方式とラウンドロビン方式の結合方式
1) 初回戦のみをラウンドロビン方式、以後はトーナメント方式に切り替える。
2) 一定の回戦までトーナメント方式にし、以後はラウンドロビン方式に切り替える。
4.実力評価方法
 出場選手選考に関する選手の実力評価は、選考時点における最新のランキングに
 基づく (ただし、 日本ベテランツアー大会は除く)。 シード順位は、ドロー作成
 時点の最新のランキングに基づく、ただし、出場資格を制限しているトーナメント、
 外国人が参加した場合の実力評価方法は、運営委員会で検討する。
5.シードの位置
 シード1はドローシードの最上段ラインエ、シード2は最下段(例、32ドローは
 ライン32)。その他のシードについては、次頁の方法でその位置を決めていく
 (表中の数字はそのシードが置かれるドローのライン番号を示す)。 
                  16ドロー 32ドロー 64ドロー 128ドロー
                  (4シード) (8シード) (16シード) (16シード)
 シード3と4        
 最初に引いた方 5 9 17 33
 次に引いた方 12 24 48 96
       
 シード5,6,7,8        
 最初に引いたシード   8 16 32
 2番目に引いたシード   16 32 64
 3番目に引いたシード   17 33 64
 4番目に引いたシード   25 49 97
       
 シード9,10,11,12        
 最初に引いたシード     9 17
 2番目に引いたシード     25 49
 3番目に引いたシード     40 80
 4番目に引いたシード     56 112
       
 シード13,14,15,16        
 最初に引いたシード 8,16     8 16
 2番目に引いたシード 24,48     24 48
 3番目に引いたシード 41,81     41 81
 4番目に引いたシード     57 113
6.シードの数
 トーナメントにおけるシードの数は、 ドロー数の4分の1を基本とし、下記の
 シード数を基準とする。
      ●  2シード   8ドロー (または出場選手が8〜11人)
      ●  4シード 16ドロー (または出場選手が12〜23人)
      ●  8シード 32ドロー (または出場選手が24〜47人)
      ● 16シード 48ドロー以上
 (注1) 申込み締切り時点では24ドローだったが、ドロー作成時点で23ドロー以下に
     減員した場合は、ドロー作成時点のドロー数に準じたシード数とする。
 (注2) 同じく、ドロー作成時点では24ドローだったが、作成後23ドロー以下に
     減員した場合は、シード数はドロー作成時点のままとする。
7.ドロー作成の期日
 ドローの作成はトーナメント開始日の7日前から開始当日試合開始時刻までの間に、
 公開で作成することを原則とする。
8.ドロー作成の手順
 シードを抽選し、欠員(不戦勝)でBYE(バイ)が必要であれば、シードの高い順に
 BYEの位置を決める。残りのプレーヤーは、シードおよびBYE以外の場所に、
 ドローシートの上から順に抽選する。
9.ドローの構成
1) ダイレクト・アクセプタンス(DA/DirectAcceptance)
 最新ランキングにより・本戦(または予選)ドローにストレートイン(直接受け
 入れられた)プレーヤー。選考ランキングはトーナメントの出場選手選考日での
 最新のものとする。
2) ワイルドカード(WC/WildCard)
 エントリーの有無にかかわらずトーナメントディレクターの推薦によりドローに
 入ったプレーヤー。本戦ワイルドカードは、本戦ドロー作成前、予選のワイルド
 カードは予選ドロー作成前の発表を最終とする。ドロー作成前であれば、トーナ
 メントディレクターの裁量により、ワイルドカードを変更することが出来る。
3) 予選通過者(Q/Qualifier)
 予選で勝ち抜き・本戦ドローに入ったプレーヤー。予選が終了する前に、本戦
 ドローを作成する場合、予選通過者の人数分をQ枠として抽選する。
4) 補欠、オルタネイト(A/Alternate)
 予選の開始前に欠員が生じた場合、基本のエントリーリストにおける次の
 有資格者が補欠(A)として補充される。補欠(A〉リストには、エントリーされた
 全選手が記載され、補欠リストをエントリーリストとともに発表しなければな
 らない。 優先順位は以下のとおりとする。
   1.予選の補欠リストに記載されたプレーヤーのランキング上位順
   2.予選の補欠リストに記載されてなく、予選サインイン当日にエントリーし、
    ランキングのあるプレーヤーの上位順。
   3.予選の補欠リストに記載されてなく、予選サインイン当日にエントリーし、
    ランキングのないプレーヤー。
  ・ランキングのないプレーヤーの順位は、最新の記録を基にして委員会が
   決定するが、それが困難なときは抽選で決定する。
   なお、ABの予選サインイン当日のエントリーは、オンサイトオルタ
   ネイトとしてのサインインとして、予選サインインと同じ手順で行う。
   ただし、日本ベテランツアー大会ではオンサイトオルタネイの
   サインインはない。
  予選当日の補欠になるには、予選サインイン締め切りまでにサインを
  済ませた選手で、試合開始の30分前までに、補欠(A)にサインした選手を
  有資格者とする。
  出場数に制限のない予選では、当該予選には補欠の補充はなく、
  予選初回戦に欠場者が出た場合、その対戦者はウォークオーバー
  (w.o)となる。
5) ラッキールーザー (LL/LuckyLoser)
   予選のある大会では、本職初回戦に欠員が生じた場合の補充として、
  ラッキールーザー(LL)をあてる。LLは予選出場者に限られ、予選最終
  ラウンドの敗者のランキング保持者を優先とし、抽選で順位がつけられる。
  ランキングは予選ドローで使用したランキングに基づく。
   最終ラウンドの敗者でランキング保持者より多くの欠場者が生じた場合は、
  予選最終ラウンドの敗者でランキングを持っていない選手から、抽選で順位が
  つけられる。
   欠員とは、その試合第1ポイントの第1サービスが打たれるまでに、
  発生することであり、1回戦がBYE(バイ)で2回戦から出場する選手が
  欠場した場合も含む。
   1.ラッキールーザーサインイン
    初回戦が行われるそれぞれの日、オーダーオブプレーで発表された
    最初の試合の開始時刻30分前までに、レフェリーから用意された
    ラッキールーザーサインイン用紙に、自身でサインし、LL補充の
    発表後5分以内にコートで試合の準備を整えていなければならない。
    ラッキールーザーのサインインの締め切り時刻は、天候で試合開始
    時刻が変更されても変わらない。
    初回戦が2日以上にわたった場合、最初の日にサインしていなくても、
    2日目以降のラッキールーザーへのサインの資格が与えられる。
   2.ラッキールーザー挿入手順
    ラッキールーザーは発生した順序に従って挿入される。本戦初日の
    開始前に、翌日の第2日目に予定されていた初戦試合に欠員が生じた
    場合は、第1日目のラッキールーザーにサインインした最上位者が
    その欠員を埋める。
    しかし、2名以上のラッキールーザーが同時に本戦ドローに受け
    入れられるときは、その位置は抽選によって決める。予選の最中に
    ラッキールーザーの必要が生じた場合は、本選ドローの場所は予選
    通過者と同様に、Q/LLとして取り扱う。
   3.本戦への繰り上がり
    予選のオーダーオブプレー発表後で、予選の開始前に、本選選手が
    欠場した場合の補充の優先順位は、すでにエントリーされている
    予選選手リストのエントリーランキングの上位者から本戦へ繰り
    上がる。
    予選の開始後に、本選出場が欠場した場合の欠員の補充は、
    ラッキールーザーから必要数を補充する。
    予選の開始後から、本戦ドロー作成前に、ラッキールーザーの
    必要が生じた場合は、レフェリーは、予選終了後に必要数の
    ラッキールーザー該当者へ本職に出場できることを連絡し、該当者に
    出場の意思のあることが確認できたら、そのプレーヤー名を本選
    ドローとオーダーオブプレーに記載する。本選ドローに名前が
    記載されたプレーヤーは、当日サインインする必要はない。
   4.予選で棄権した場合のラッキールーザー(LL)の権利
    シングルス予選で、体調の不調を理由に棄権した選手は、ドクター
    またはトレーナーがプレー可能と判断した場合、LLの有資格の
    権利がある。
6) BYE (バイ)
   プレーヤーの数がドローサイズより少ない場合、BYEはシード順位の
   上位者から順番に与えられる。BYEの数がシード数より多い場合は、
   ドローの各セクションにできるだけ平均になるよう抽選で決定する。
10.シングルス
1) シングルスのエントリーとドローサイズ
   エントリー方法については大会要項に基づく。ドローサイズの構成は、
   「公式トーナメント管理規程18条」および「日本ベテランツアー管理
   規程第18条」を参照。
2) シングルス予選の有無
   トーナメント要綱で予選の開催を発表している大会では・本戦32ドローの
   トーナメントで、出場エントリー締め切り時点で、32名のエントリーしか
   ない場合でも、予選サインイン終了時点まで、予選をキャンセルしてはな
   らない。この場合、予選を行うか行わないかの決定は、予選サインイン
   当日の終了時点の結果によって、予選の有無が最終決定される。
3) 予選のサインイン
   申込み締切日までにエントリーし、予選または補欠(A)選手リストに名前が
   載ったプレーヤーで、予選に出場を希望するプレーヤーは、予選のサイン
   インをしなければならない。サインインは指定された時刻までに、指定さ
   れた場所で行われ、自身でサインしなければならない。サインイン指定
   時刻への遅刻はいかなる理由も認められない。
   申込み締切日までにエントリーしなかったプレーヤーで、予選のサイン
   イン当日のエントリー(オンサイトオルタネイト)としてサインした選手は、
   ドローに欠員があれば、出場の機会がある。ただし、日本ベテランツアー
   大会は除く。
   予選選手リスト(補欠を除く)に名前が載ったプレーヤーで、サインイン
   しなかった者は、サスペンションポイントが科せられる。
   予選のWCはサインインをしなくても出場できるが、場合によってはWC
   ではなく、 サインすることで予選のダイレクト・アクセプタンスになる
   可能性がある。その場合、別のプレーヤーにWCが与えられるケースが
   あるので、予選WCでも、サインすべきである。
   前週の公式トーナメントに勝ち残ったため、指定時刻までにサインイン
   できないプレーヤーについては、予選を行うトーナメントのレフェリーが、
   当該プレーヤーに代わってサインすることができる。ただし、レフェリーが
   サインしたが、前週の大会が終了しているにもかかわらず、予選に現れ
   なかった選手には、サスペンションポイントが科せられる。
   サインイン指定時刻への遅刻は、いかなる理由も認められない。
4) 予選のシード決定と、予選ドローの方法
   シードはドロー作成時の最新のランキングに基づき、各セクションに
   2つずつ置かれ、第1シードは第1セクションの最上段に、第2シードは
   第2セクションの最上段にというように、シード順位の上位半分を
   各セクションの最上段に置く。
   残り半分のシードは一括して抽選し、最初に選ばれたシードは第1セクション
   の最下段に、2番目は第2セクションの最下段に置くというように、
   順次抽選して最後のセクションの最下段が埋まるまで続ける。
   例: 16ドローで4名の予選通過者を決める。
1 シード1          
           
2              
       
3              
           
4 シード5〜8の抽選1番目            
5 シード2          
           
6              
       
7              
           
8 シード5〜8の抽選2番目            
9 シード3          
           
10              
       
11              
           
12 シード5〜8の抽選3番目            
13 シード4          
           
14              
       
15              
           
16 シード5〜8の抽選4番目            
   残りのプレーヤーの名前を、シードとバイ(もしある場合)の置いて
   いない場所に、ドローの上から順番に抽選して置いていく。
   上の例でも、4名の予選通過者を決めるのに、出場者が10名しかいない
   場合でもシード数は8とする。
5) 本戦ドロー作成後の予選通過者の位置決め
   やむを得ない事情により、予選がまだ終了していない内に本戦ドローを
   行う場合、本戦ドローの予選通過者の位置は単に予選通過者として決めて
   おき(プレーヤー名を特定せず)、予選が終了して予選通過者のプレーヤーが
   確定したとき、どのプレーヤーがどの予選通過者の位置に入るかを
   ドローする。予選のどのセクションがメインドローのどの位置に置かれるか
   あらかじめ指定してはならない。
11.ダブルス
1) ダブルスドローのエントリーとサイズ
   ダブルスのエントリー方法については大会要項に基づく。
   ドローの構成は、本戦のドローサイズは、シングルス本戦ドローの半分
   とする。管理規程18条を参照。また日本ベテランツアー大会については
   別に定める。
2) ダブルスの欠員
   1つのペアが、1つのダブルスのエントリーを構成する。ペアのいずれかの
   プレーヤーがプレーできないときは、そのダブルスのエントリーは失格
   となり、補欠が入る。
3) ダブルスエントリーの優先順位 (日本ベテランツアー大会については別に定める。)
   選手選考時点ペアの最新のランキングが合算した合計数を優先順位とする。
   @ランキング+ランキング(タイの場合は上位者のいるペア)
   Aランキング+ランキングなし(タイの場合は抽選)
   ダブルスのドローが、少なくとも1人のメンバーがランキングを持つペアに
   よって充足されないときは、トーナメントはその裁量でドローをランク
   されていないチームで補充したり、または残りの場所をバイにしたりする
   ことができる。
4) ダフルスチームの補欠
   ドローに欠員が生じた場合、補欠またはラッキールーザーによって補充する。
5) ダブルスのシード
   シードは、ドロー作成時点最新のダブルスランキングに基づく。
6) ダブルスの予選
   ダブルスの予選の開催は、トーナメントディレクターの裁量に任される。
7) ダブルスのサイン
   ダブルスの予選、およびLしのサインインは、ペアの1人がペアとして
   署名すればよい。
12.ドローの誤り
   ドローが作成され、トーナメントが開始されるまでに、そのドローに誤りが
   発見された場合は、直ちにドローを作り直さなければならない。
   トーナメントが開始されたあとで発見された場合は、誤ったままのドローで
   トーナメントを続けるものとする。