ラケットについて

グリップ


  グリップは常に手で持つところで、打球感を身体に情報として伝えるため重要な場所でもあります。
 サイズは、手で握るグリップ部分の太さ(円周)になります。全メーカー共通で国内販売では、
 グリップ1〜3が多く、
一部に4、海外やプロモデルには、5や6が有ります。
  メーカー間で標準化された規格ではないので、若干、メーカーにより異なる場合もあります。

    ・1 〈4インチ+1/8で、約10.5cm〉

    ・2 〈4インチ+2/8(1/4)で、約10.8cm〉

    ・3 〈4インチ+3/8で、約11.15cm〉

    ・4 〈4インチ+4/8(1/2)で、約11.4cm〉

  細いグリップには、オーバーグリップテープを巻くと、約サイズ1分を太くすることが出来ます。
 太いものを細くすのは、難しいので迷ったときは、細いものがいいかも・・・
 ただ、私は、一般の方にサイズ1は、お勧めしません。
  
オーバーグリップテープ2枚重ね巻きをすると8角形のブリップの角の感覚が分からなく
 なるので、お勧めはできません。

  ラケットにもともと巻いてあるプレイスメントグリップは、打球時の衝撃吸収と、グリップ力向上や
 打球のパワーロスを防ぐ役割をしており、これを
剥がすと、手首や肘を痛める原因にもなりますので
 剥がさないで下さい


  リプレイスメントグリップとして売られていますので、交換可能、たくさんの種類が販売されて
 いますので色々なメーカーの物を握ってみる事をお勧めします。

 アンダーグリップ プレイスメントグリップ:ラケットを購入した時に付いていたグリップ)
     「レザー系、クッション系」の
2種類で手に伝わる打球感で使い分ける。

   レザー系 : 打球感を重視したい人向けです。
       打ったときの振動が多く手に伝わり、ラケットの中心か、それ以外で打ったときの打球感は
     全然違い、ラケット面のどこでボールを捉えたかがわかりやすく、ミスショットした後の対処が
     可能です。ただ革ということもあり、若干の汗だと丁度いいフィット感がありますが、水や汗が、
     多い場合はオーバーグリップを巻かないと滑って打てません。濡れた時には、後で乾かす
     必要があります。

       レザー系はグリップの角が出ること多く、手にマメが出来やすいと感じます。

   クッション系 : 手に伝わる振動を減らしたい人向けです。
      最近で販売されているラケットはクッション系が多い傾向があり、ボールを打ったときの振動が
     手に伝わりが少ないです。中心を外して打った時でも同じく振動が伝わりづらいので常に快適な
     状態にあり、どこに当たっても同じ打球感なので、ラケットの中心に当たった時の気持ち良さも
     減る感じはあります。
      振動が少ないので、手首や肘に優しくテニスエルボー等の対策としての選択肢としては良いです。

 オーバーグリップ
     ウェット系、ドライ系の2種類に分けられ、選び方は、手の相性や天候等に合わせて使い分けます。
    多くの人は、ウェット系を選択している傾向がありますが、季節、天候、汗の量等を考慮しドライ系も
    準備した方が良いと思います。
    滑り止めで凹凸の有るも物やクッション性の高い物も有り、さわり心地が全然違いますので
    気に入った物を見つけましょう。
    
オーバーグリップはアンダーグリップの上で巻くもので、消耗をしてきたら変える為、予備を数本と
    種類の違う物を持っておくと良いでしょう。
     オーバーグリップを巻く人は、アンダーグリップを頻繁に変える必要はありません。

    ウェット系 : 手に汗をかかない人向けです。
      さわり心地は、柔らかくて、手にくっつく感じがあり、手に汗をかかない人にとっては、常に手に
     張り付いているような感覚でプレーができます。
     逆に手に汗をかく人が使った場合は、汗をかいた時は、かなり滑ります。ラケットを振ったときに
     ラケットが飛んでいかないかを心配するくらい、滑っていく感じです。

    ドライ系 : 手に汗をかく人向けです。
      グリップ自体が手の汗を吸ってくれる素材を使っており、手に汗をかく人にとっては常に乾いた
     状態でグリップを持つことが出来るので、グリップが滑る事がないです。
      汗を吸える限界がありますが、1試合の中では問題はでないレベルには吸ってくれます。
      ただ耐久性が悪い物が多く、頻繁に変える事が多くなります。

 ★ グリップの巻き方
      ラケットの下側から巻き始め、ラケットの面側でグリップの最後の部分をテープで巻きます。

     1、巻く際の最初のポイントを同じにすること

     2、グリップ同士の重なる部分の幅を同じにすること

     3、グリップを巻く際の引っ張り具合を同じにすること

ラケットのフェイスサイズ


  ラケット面の大きさで、単位は平方インチ(inch)になります。

 大きさによる違いは、面をトランポリンと考えると面が大きいと、面は大きくたわみ、楽にボールを飛ばす
 事ができ、スイートスポット(正しくボールを弾く中央のエリア)も大きくなります。
  
それに対し、面が小さいと、スイングスピードは空気抵抗が小さい分、速くできますが、小さくなればなる
 ほど面は、たわまなくなり、板の様に硬くなります。よって、ガットのたわみよりも面でボールをつぶし、
 ボールの反発力で飛ばす要素が強くなります。
  力に自信のある(スイングスピードが速い)方ほど、面の小さなラケットが適しています。

 スイングスピードの速い方が、面の大きいラケットを使うと飛び過ぎたり、コントロールが悪くなります。
   楽にボールを飛ばしたい人は、少し大きめの面を選んで下さい。
   一般的に面の大きさは、90インチ〜115インチほどのラケットが多いです。

ラケットの長さ


  長さの単位はインチ(inch)になります。
 ほとんどのラケットは、27インチ(68.6cm)になります。
 ”長ラケ”と呼ばれる、0.25〜0.5インチ(1インチ約2.54cm)長い物もモデルによっては用意されて
  います。長い分、サービスの打点が高くなり、遠くのボールに届きやすくなりますが、正面や体に近い
 ボールは取りにくくなります。

   昔、マイケル・チャンが28インチのプリンスのラケットを使っていました。
   普通は、27インチの選択で問題ありません。

ラケットの重さ


  表記されているのは、ガットを張っていないラケットの重さです。
 280gを切るのが軽量ラケット、310程度から重い部類のラケットになります。
  軽いラケットは、力を必要とせず楽に振れるので初級者向き、重いラケットは上級者向きと
 分類できますが、体の大きさや体力によって選択する事が重要です。

  低学年のジュニアやシニアの方など力が弱い方は軽めの物を、他のスポーツ経験や体力に
 自信があり、ラケットを速く振れる方は、重めの物をお勧めします。
  スイングスピードを出せるなら重いラケットの方が速くて重いボールを打つことが可能になります。  
 迷ったら300
g前後のラケットをお勧めします。

ラケットのバランス

  

  ラケットの重心がどこにあるかを ”ラケットバランス” と呼びます。
 一番多いのは、グリップエンドから
320mmのバランスのラケットです。

  それよりも重心がトップにあるラケットを ”トップヘビー” 、逆にグリップ側にあるものを ”トップライト” 
 トップヘビーは、遠心力で楽にラケットを振ることができます。
 逆にトップライトは、操作性が良く、自らの力でスイングしてボールを飛ばします。
 トップライトは上級者用のモデルに多くみられます。
  
ラケットの重量が重いものでも、トップライトなラケットは、実際に振って軽く感じます。

 

ラケット形状

 ★ ラケット形状 :ラウンド形状(AERO断面)、ボックス形状(BOX断面)
            両者の融合型がセミAERO断面

                                

   ラケットのフレームを輪切りにしたときの形状です。テニスラケットには大きく、
  断面が四角い【ボックス形状】と、断面が丸みを帯びた【ラウンド形状】の2つがあります。
   昔のラケットは、ボックス形状がほとんどでしたが、現在ではバボラのピュアドライブを
  はじめ、ラウンド形状も多く発売されています。

   ボックス形状 コントロール性能に富み、”しなり”やすいラケットです。
       内外側には、たわみ難いが、しなりやすく、捻れやすい。
     昔風のフラット気味プレイヤーで、ボールをあまり擦らないならBOX断面をお勧めします。
     ボールをよくつかみ、コントロールが良く、思った距離感に着地できるはずです。
     使いこなすには、厚い当たりが必要です。

   ラウンド形状 : フレームの剛性が強くボールを強烈に弾いてくれます。
       スピンをこよなく愛するプレイヤーならラウンド形状(AERO断面)のラケットがお勧め。
      捻じれに強いため、スピンがよくかかり、飛距離も出ます。
     当たりがあまり厚くなく、下から上に縦回転の方が、多いプレイヤーにお勧めです。
    力があまり無い子供や女性でも楽に飛ばすことが出来る形状なので、力がある男性でも
    ラリーで追い込まれてもラケットの力で無理やり返すことが可能になる。


   ●
ボックス+アエロ形状 : 両方の長所を引き出したもの
      ボックス形状のラケット(以前のプロスタッフやプレステージ)のように完全な真四角の
     フレームな印象でしたが、素材やラケット製造技術の向上や時代、テニスの進化等もあり、
     ラウンド形状の良さ等を追加し、フレームの厚みを増したり、フレームに丸みをもたせたり、
     外側と内側でフレームの形を変えたり(かまぼこ型、ダイヤモンド型)、スロート部がボックス
     フェイスは、ラウンドのようなハイブリッド型
複雑になりすぎて2者混合のハイブリッドと
     いう言い方すら適当ではなくなってますが)等、旧ボックスとラウンドの間に様々形状の
     ラケットが入る状況になっています。

フレームの厚さ


   ラケットを横からみた場合の厚さになります。
17mm〜30mmのレンジになります。
   ”厚ラケ”と呼ばれる厚いラケットの方がフレームの剛性が高く、ボールをよく弾きます。
   ”薄ラケ”は逆によく”しなり”、ボールを載せて打つ感覚を味わえます。
   25mm前後の”中厚モデル”が多く発売され人気があります。
 

ラケットの当て皮について

    ストリングを張る際に特定の箇所に使用して、フレームやストリングを保護する
   アイテムです。

   高いテンションで張る場合は、スロート外側の1番グリップ側に挟みフレームの
   陥没予防とし、縦糸センタ付近の保護と打球感を柔らかくしたい時には、
   スロート内(ブリッジ)の3ヶ所に挟みます。

    最近のはラケットフレームの強度も上がり、スロート内の3ヶ所もストリングの
   摩擦が少なくなる形状で作られていたり、基本的には、必要とされません。
   
    デメリットとして、打球感の変化、ストリング本来の性能に影響を与える。
   雨天時に水を含み更に影響が大きくなる。と言う方もおられます。
グロメットの破損について

      可能であれば補修や交換が必要です。
       最近では、硬いポリを高いテンションで、張りボールを強く打つため、
   グロメットの破損が増えています。
     破損していても使用可能ですが、ストリングが角切れしたり、ラケットが
   破損する事がありますので、交換や修理をお勧めします。

          常に車の中に置く(放置)方もおられますが、温度差が激しいので
   
必ず降ろしましょう。グロメットどころかラケットが折れます。

ストリング・パターン


   縦と横のストリング(ガット)の本数になります。標準は、縦
16本×横19本です。
   これより目が細かくなると、コントロール性能が良くなりますが、スピン性能は目が粗い方が
  かかりやすくなります。


    縦のストリングは、”メイン”と呼ばれ、飛びや耐久性、スピン性能などに大きく影響します。

    横のストリングは、”クロス”と呼ばれ、打球感や衝撃吸収に影響します。

      縦糸と横糸で同じ種類を張るのが一般的ですが、最近では、縦、横、違う種類、太さの
    ストリングを張る”ハイブリッド”も流行です。

   ◆ハイブリッドとは?
       素材や種類の異なったストリングでメイン(縦糸)とクロス(横糸)のストリングを張り上げる
     方法の事をいい、メイン(縦糸)とクロス(横糸)で役割が違います。メイン(縦糸)は耐久性や
     スピンのかかり具合に影響します。クロス(横糸)は打球感などのフィーリングや衝撃吸収に
     影響します。縦と横で違うストリングを使うことにより、両方のストリングの特性を活かして
     より高いパフォーマンスを引き出すことができるのです。

      ボールを打つ際に大きく影響するのは、メイン(縦糸)です。切れるのも縦糸が多く、ボールの
     回転量や耐久性に影響がでるので、メイン(縦糸)を選ぶ時には、ストリングの特性を理解して
     自分のプレースタイルに合ったストリングを選びましょう。


       一方、クロス(横糸)の役割は、縦糸の補助的なものです。インパクト時の衝撃に影響したり、
     横糸に縦糸との摩擦が起きずらいもの(例えば滑らかなコーティングされたもの)を使用すると
     縦糸の消耗が減り寿命が延びます。

   ◆ストリングでは、ナチュラルとポリのハイブリッドを選ぶプロ選手もいます。
       何故ナチュラルを入れるのかというと、それだけボールが飛ぶからです。ポリと組み合わえる
     のは、単純にはスピンをかけるためです。
       ナイロン製のストリングは、3ヶ月に1回張り替えろと言われますが、上手なストリンガーが
     張ったナチュラルなら半年使っても大丈夫な位でコストパフォーマンスがいいかもしれません。

 

テンション


    ストリングは、ストリングマシンと呼ばれる機械で張ります。
   テンションは、その時にガットを引っ張る強さになります。
 
   単位は、キロも有りますが、一般的にポンドで表現されます。

    40ポンド〜60ポンドが、普通のテンションになります。
   強く張るほど、板で打つような感覚になりスイングスピードが必要となります。
   初めての場合は、中間の50ポンド程度をお勧めします。
   ラケットやストリングで、適正テンションが決められていますので、その範囲で張るようにしましょう。
    自分のラケットが出来たら何度か張替えをして自分に合ったストリングやテンションを見つけ、試合に
   参加される場合は、コートサーフェス、季節、大会レベル(参加する選手のレベル)によって多少の
   張りの変化をつけ、気持ちの良いスイングでテニスを楽しみましょう。